とうとういっちゃいます。
 キーボード沼ってやつに。

ゲーミングキーボード

 私はここ数年、ものの見事に万年筆沼にハマっていました。
 いや抜け出したって記憶もないので、現在進行形でハマっています
 ペンなんてそこらの百均で買えるようなボールペンで充分なんですよ。日本製なら。
 一般的な社会人はそれでほぼ全ての筆記は間に合います。
 なのに万年筆の極上の書き味を知ってしまったら、もうその麻薬的な快感の虜になってしまっていたわけです。
 だがしかし。
 そもそも一般的な社会人はペンを使って文字を書く機会自体があまりないわけで。
 すると当然せっかく買った万年筆も活躍する機会がないわけで。
 じゃあ現代は何を使って文章を書くのかというと、そりゃもちろんPCでキーボードを打つことなんですよね。
 ならばPCキーボードにおける万年筆的な存在とはなんぞや。
 それはメカニカルキーボードです。
 ・・・異論は認めますが今は聞きません
 というわけで買っちゃいました。

玄人志向 GALAKURO ゲーミングキーボード  GG-K/92-01Wired-RED


 いきなり衝動買いしたように出しましたが、これでもかなり吟味して選んだんですよ?

 まずこのメーカーのGALAKUROゲーミングとは、あのPCパーツ業界で老舗の玄人志向が立ち上げたゲーミングブランドです。
 玄人志向は、初心者向けのサポートなどは一切しないので、その分のコストをかけずに安く売るという方針で有名なメーカーですね。
 私が昔とあるゲーム会社にいた頃、先輩に「パーツ選びに迷ったらとりあえず玄人志向選んどけ」と教わりました。
 当時は初心者だったけど周りがPC猛者ばかりの環境だったので、サポートなんてなくても大抵どうにかなりましたし。
 つまりそんな猛者たちが「値段の割に品質は悪くない」と認めていたメーカーなのです。
 現在は方針を変えてサポート体制を強化しているので、その分のコストを上乗せしてそこまでの安さではないようですが、長年PCパーツを扱ってきた経験で良いものを作る目と腕は確かだと思うのです。
 なので私は今でも迷ったらとりあえずで玄人志向を買っています。
 そんな玄人志向、通称クロシコが立ち上げたゲーミングブランド。
 安価だけど、少なくとも新興の大陸系メーカーよりは信頼が置けそうな気がするー・・・ってことで、キーボード沼への最初のメカニカルキーボードとして選んでみたわけです。


 早速レビューに入りましょう。
 どうやらこの製品はAmazon専売のようで、ほとんどの情報はAmazonの説明に書いてあります。
 基本的なスペックはそちらで確認していただくとして、ここでは私が購入を決定するに至った要素について語っていくことにします。

・Cherry MX 赤軸
 採用されているスイッチが、OUTEMUなどの互換品ではなくCherry純正であること。
Cherry MX 赤軸
 安い互換品だったら悪いってことではありません。
 メーカーが違えばキータッチの感触も違って、それが純正品とは違った魅力となっているものもあります。
 ただ今回は初めての(普段遣いの)メカニカルキーボードなので、まずは基本となるCherryを試してみたかったのです。
 ちなみにCherry MXを単品で買うとすると、Amazonでまとめ買いしても単価で一個100円以上します。
 それがこの製品では92キー使われててこの値段って、一体どんな原価率なんでしょうね。


・テンキーレス
 今まで私が使ってきたキーボードはたくさんあるけれど、テンキーが付いてた方が少ないんじゃないかな。
 なので慣れてるってのもあるし、またコンパクトな方が取り回しが良いので、これは絶対でした。
 どうしてもテンキーが欲しい時は別で用意すれば済むので、フルキーで最初からついている必要はありません。
 またコンパクトさで言えば更に小さい60%キーボードってのもあるけど、それは対象外でした。
 そこまでになるとファンクションキーはもちろん、カーソルキーまでも他のキーと兼ねられていたりして、逆に使いづらいのです。

・USBケーブルが着脱式
 しかもType-C
 キーボードに限らず、私はUSBデバイスは頻繁にとっかえひっかえします。
 例えば先回の自作コントローラーとか。
 本体からUSBケーブルが外せれば、その本体だけを交換してケーブルを使い回せるので楽なんです。
 もしケーブルが外せないものだと、ケーブルの先まで手繰ってプラグを抜き差ししないといけないので超面倒です。
 なら無線にすればいいじゃん・・・ってのも考えましたが、まずBluetoothは遅延が発生するのでゲーミング用途には不向きです。
 2.4gHzのドングルによる無線なら遅延は抑えられますが、そういう製品はコストの分だけ値段が上がりがちです。
 だったら無線より有線の方が、確実に通信が安定するのでゲームには使い易く、しかも値段も安いです。

・かな印字なし
 私はローマ字入力なので、かなの印字が必要になった事は今まで一度もありません。
 なら、最初からかなの印字がないってのはどういう感触になるんだろうっていう興味本位ですね。
 見た目はスッキリして良いのだけど、何か不都合があったりするのかどうか。
 必要ないから無くても変わらないのか、それとも何らかの違和感を感じるのか。


 逆にここは妥協したって点。

・バックライトレス
 ゲーミングってのはLEDで無駄にビカビカ光らせることだって思っている人も多いんですよね。
 なのにこのキーボードは、ゲーミングを名乗っているにも関わらず光りません。
 いやビカビカ光るのは邪魔だから、バックライトレスの方が嬉しいっていう人も多いのはわかってます。
 でも私はMacBookを使っていたので、キーボードは光っている方が慣れてるんですよ。
 別に虹色にグラデーションする必要はないから、せめて単色で光って印字がわかりやすいと良かった。



 そして具体的に使ってみた感想。

 まずCherry赤軸の感触は良好です。
 互換軸は触ったことありますが、やっぱり本物は威厳が違います
 ただ、なんていうんでしょう。
 キーが底を打った時の打鍵音がかなり響きます。
 筐体の空洞に反響しているし、更に内部で金属音がキーンと響きます。
 これが私には大きいように感じたのですが、もしかしたらメカニカルキーボードってこの程度は普通なんでしょうか。
 ちゃんとしたキーボードでメカニカルスイッチを使ったのは初めてなものでして。
 でもこのキーがコツンと底を打つ感覚はなかなか心地良いですね。ただ音が大きくて気になるってだけで。

 ゲームで使ってみた感じは、これもまた良好です。
 nキーロールオーバーは全キーだし、アンチゴーストもしっかり効いているようで、反応が抜けるとかは全くありませんでした。
 その辺はゲーミングの名に偽りなしって感じですね。
 ただ少々気になるのは、ストロークが長めだということ。
 もうちょっとだけストロークが短かい方が連打しやすいんじゃないかな。
 まあ今のままでもそこまで不便ってわけでもありませんけど。
 これはこのキーボードの構造と言うより、そもそものCherry軸の特徴なんでしょう。 


総評
 これって・・・ぶっちゃけFilcoのMajestouchですよね。

 スペックだけ見るともうまんま廉価版マジェスタッチ
 マジェスタッチは業務や普段遣いに定評のあるキーボードで、それをそっくりそのまま模倣したら、そりゃ使いやすくもなります。
 そこにWinキーロックなどもうちょっとゲームで使いやすくブラッシュアップしている感じ。
 逆に言うとゲーミング要素ってたったそれだけなので、なんというか、ものすごく堅実なキーボードだと感じました。
 全く冒険せず、良いと言われるものを着実に磨いただけの製品です。
 これはマジェスタッチが欲しいけど、ついでにゲームにも使いたいって人には良い選択なんじゃないかと思います。
 値段も半分だしね。

 そして打鍵音が響いてうるさいってのがチープに感じる所以です。
 上記のようにポテンシャルは充分なので、そこさえクリア出来ていれば手放しで激推しできたでしょうに。
 しかし、そこは玄人志向。
 それを何とかする方法もあったりします。
 恐らくメカニカルキーボードで定番の静音改造でクリアできるんじゃないかな。
 具体的には、キーキャップに静音リングを嵌めること。そして筐体の中にフェルトなどの吸音材を敷くことです。

 静音化リングはお手軽な割には結構効果が高いですね。
 実は静音化リングって軸とキーキャップの形状によって効果があったりなかったりするのですが、Cherry軸とこのキーキャップの組み合わせには効果があるようです。
 またリングの厚みの分だけストロークが短くなるので、微妙に長すぎだと感じたこのキーでのストロークも改善されます。
 ただし、当たり前ですが底を打つコツンという音が軽減されるのと同時に感触も軽減されるので、この底を打ついかにもメカニカルキーボードらしいカチャカチャとした感触が楽しくなくなります。
 静音を取るか、楽しさを取るか。それは自分の好きなように選びましょう。
 ちなみにリングは厚さ1.5mmより2.0mmの方がオススメ。

 1.5mmだと効果は薄いです。
 だからといって2本重ねると厚さは3mmになり、公証アクチュエーションポイントの2mmを超えます。
 実際には弾性の分だけ凹むのか、ポイントにギリ届くので入力はされます。
 しかし本当にギリギリらしく、ゲームなどで押しっぱなしにしてるときにちょっとでも力を緩めると判定が切れます。
 だったら2mm程度の厚めのリングを一本だけにした方が快適です。

 内部で金属音が響く問題については、筐体内で金属板の下に百均にも売ってる手芸用のフェルトなどを敷いて吸音させれば良いらしいです。
 フェルトとは言っても百均などで売ってる安物は羊毛ではなくポリエステル製で、それは吸音素材として定評があります。
 ただし、この改造はネジを外して分解することになるので、保証が受けられなくなります
 この辺が「お客様が自力で何とかする」がコンセプトの玄人志向っぽいと思ってしまいました。
 私はまだ新品でもったいないのでやっていませんが、後でフェルトを買ってきたら分解してやります。



 というわけで今回は、普段遣いする文房具としてのメカニカルキーボードのレビューでした。
 そしてキーボード沼への第一歩でもあります。
 はい。
 つまり二歩目があるんですよ。
 既にもう購入して到着しているので、次回は多分それになります。

 ただ・・・私の手はメカニカルよりパンタグラフの方が文章打つの慣れてることを認識しました。
 ずっとMacBookで物書きしてたからですかね。
 ならロープロファイルのメカニカルもそのうち試してみようかな。
 次はもう決定しているから、次の次あたりで。
 はい。キーボード沼まっしぐらですわ。