とまぁ、4年ぶりで売れるのは確実なLinkin Parkの新譜なわけですが。
・・・ぶっちゃけていいですか?
はっきり言って駄作です。
いや作品自体は結構良いんだよ。
ラップは減ったけど、無駄な贅肉をそぎ落としてLinkinらしさという骨格を際だたせた感じ。
これまでのスタイルをぶち壊し、Linkin Parkとしての新しいスタイルを模索した実験作だと思う。
聴けば聴くほどに彼らが何をやりたいのかがわかってきて、噛めば噛むほどに味が出るスルメのようなアルバムだね。
ただ、問題なのはそれが完成していないということ。
新しい方向を模索するのもいい。実験を繰り返して変化を求めるのもいい。それはバンドにとって大切なことだから。
しかし、プロのエンターテイナーならば、作品を創り上げる前にそれらを終了させていなくてはならない。
Linkinの新しいスタイルという一つの形を完成させないウチは、アルバムという作品を完全なものには出来ない。
つまり今回のアルバムは、開発途中のベータ版、いやアルファ版の段階なわけですよ。
ライブ重視のバンドだから、曲という作品はライブで完成させればいいと思っているのかも知れないけど、ライブに行ける人数とアルバムを買う人数ではどちらが多いだろうか。
ファンがバンドに何を求めているかがわかっていないんだろうなぁ・・・。
今までのファンは今までのLinkinを聴いてて、今までのLinkinか、せいぜいその進化形を期待しているわけ。
スタイルを変えるなら変えるでも構わないけど、その今までのファンを納得させるクォリティを見せつけて欲しい。
旧態を切り捨てるのならば、今までのスタイル以上に魅力のあるパワーを持ったバンドになって欲しい。
今回のアルバムは、今までのファンを納得させる程のものではないし、新しいファンを取り込む程のパワーもない。
全く新しいスタイルに行くということは、新人バンドと同じスタートラインに立つということなのだけど、これくらいのクォリティの新人バンドは腐るほどいるから。
もうね、今はもうLinkinよりこっち聴いてるわけですよ。
ブラック・レイン / Ozzy Osbourne
こっちは6年ぶりのオリジナルアルバム。
さすが帝王様は違いますな。ファンがOzzyに何を求めているかを熟知していらっしゃる。
私が初めてメタルを聴いたのはOzzyからなのだけど、その当時から好きだったOzzyもちょっとずつ進化してきてはいる。
でも今回の新譜では、その進化の過程でも貫き通してきたOzzyらしさを一塊にし、更に現代的な味付けをしているにも関わらずそれが無理なくOzzyの色として取り込まれていて、無駄な要素は一切無い。
誰もが一聴しただけで「ああこれこそOzzyだ」と納得する出来なのだけど、かといって決してマンネリのつまらない作品ではない。
帝王様バンザイなオールドファンである自分には、安心して楽しめるこのアルバムはかなりの良作に思うのだけど、初めてOzzyに触れるようなティーンにはこのアルバムはどう映るのか感想を聞いてみたいよね。