Miki's mental world Blog edition

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2007年02月

最近買ったCD・・・とりあえずPunk編。

フィーバーは止まらない(初回限定盤) / Panic! At The Disco

 エモパンクなんだけども、マシンビートやシンセ音なども積極的に導入していて、ダンスミュージック的な要素が加わって華やかになってる。
 ていうか、パンク大好きだけどそれにこだわらずに「今の気分で作ったらこうなった」的な雰囲気で、賑やかで楽しい音が好感が持てる。
 そう、確実に「今」の音なんだよね。恐らく5年後にはこの音は無いだろう。
 バンド自体はその頃にはまた別の楽しい音で遊んでるか、さもなくば売れずに消滅してるかで、ともかく今このアルバムの音はやってないと思う。
 音を楽しむという意味では、今確実に楽しいこのアルバムは正解なんだけども、音楽という物に恒久的に不変なる芸術性を求めるなら、このアルバムはどうなんだろうって感じ。


インフィニティ・オン・ハイ-星月夜 デラックス・エディション(初回限定盤)(DVD付) / Fall Out Boy

 というわけでP!ATDの親分。
 上のP!ATDがベースにしていたのはもろにFOBの音なんだけども、「お前らがそう来るなら俺たちはこうするぜ」的な回答になってる所が面白い。
 FOBの音にP!ATDが追加したセンスを、更にFOBなりに料理してFOBの音として取り込んでる。
 P!ATDでは微妙にまとまりに欠けていた部分(それも味だったけど)も、FOBはソリッドにまとめてあって、経験や力量というものを感じさせるね。
 ただ、完璧なまでに「FOBの音」として完成されてしまってるのよ。
 ぶっちゃけてしまうと、前作の延長上の物でしかなくなってる。
 一曲一曲はそれぞれ良くできてて、FOBの音を期待していたファンには大満足の仕上がりなんだけど、前作のDance, Danceのような一発でガツンとくるキャッチーな曲が見受けられない。
 パンクというジャンルは、最早アルバムという作品を見るのではなく、横の繋がりで評価する、ムーブメントを楽しむ物になってしまったのだろうか。


ザ・ブラック・パレード(初回限定盤) / My Chemical Romance

 そこでマイケミ。
 このアルバムはモンスターですよ。
 恐らく作った本人たち自身が「とんでもない物を作ってしまった」と恐怖してるに違いない。
 昨年末からずっと大ヒット中なので、音楽性について私が今更とやかく言うことはないね。
 マイケミはこのアルバムによって凡百のパンクバンドから脱皮して次のステージに移行し、このアルバムはロック史の中に一つの足跡を残すことは間違いない。
 だってこれもうパンクじゃないもの。ジャンル的に。
 パンクは、ギターベースドラムボーカルの4ピースのみ(マイケミはツインギターだけども)によって演奏される、ある意味ミニマムな構成の音楽なのね。
 それは、宇宙の全てを五七五のたった17音で表現する俳句のような、わびさびにも通じる精神なんですよ。
 だけどマイケミは今回のアルバムで4ピースという足枷を外し、オーバーダブやサポート楽器を取り入れて、自分たちのみではライブで再現し得なくなってもアルバムの世界を作り上げることを優先させた。
 そのおかげで、5年後にも変わらずに評価され、ムーブメントにも流されない作品が出来上がったというわけですよ。
 ただ問題は、素晴らしいアルバムを作ってしまったバンドは、その次のアルバムで重荷になるということ。
 当然次のアルバムは今作を超えることが期待されるんだけど、大抵の場合は超えられなくて評価を落とすか、別路線に移行して逃げるか。
 まあ、少なくともあと2年は出ないだろうから、それまでこのアルバムをしゃぶり尽くすことにしようかな。

 今度はこんなものを買った。

Creative USB外付けサウンドボード [Creative Xmod] [XF-MOD]

 まあ簡単に言ってしまえばUSBオーディオですな。


 音ってのは空気を振動させる波であってアナログ量なんだけども、CDでデジタルビット化するに当たってロスが生まれ、さらにMP3などの不可逆圧縮するとマスキングデータなどが削除されて、すっかすかな音になってしまうわけです。
 それを残存する音波を解析し、元に存在したであろう波形を推測して復元するX-Fi Crystalizerという機能が備わっているのがこの製品なわけですが・・・。
 まあ7000円程度のオモチャに大きな期待をしてはいけません。
 効果は確かにあるんだけども、iTunesのサウンドエンハンサーと大して変わらないし。
 とはいえ、これはiTunesだけでなくPCから出力する音全てにその効果が適用されるわけだから、それはそれで価値はあると思うけどね。
 音楽をiTunesだけでしか聴かないならまだしも、iTunesに登録する必要もない聞き捨てのファイルなんかはfoobar2000を使ってるし、ストリーミング放送などではWMPが立ち上がったり、GyaOやYouTubeなんかにももちろん効果あるわけだから。
 ただ何よりも自分が買う動機になったのは、これがUSBオーディオであるということ。

 まずオンボードサウンドユニットや内蔵サウンドカードなどは、PCケース内部に氾濫する電磁波の影響を受けるの。
 安物のチップの場合はその影響を直にシグナルに受けてノイズとして出力してしまうだろうし、ちょっとでも気が利いてればノイズフィルターを通して出力するだろうけど、そのために若干位相のおかしい音になってしまう。
 それがUSBオーディオでは、音声信号をUSBにデジタル出力して、PCの外部でD/Aコンバータにかけるため、電磁波の影響を受けにくい。
 もっともウチのPCはオンボードでもSPDIFを持ってるので、そこから直にスピーカーへデジタル出力してしまえばそれで良いことなんだけど、私の使ってるDJ用モニタースピーカーにはデジタル入力が無いんだな。
 それに家庭用やPC用スピーカーと違って、スタジオモニタースピーカーってやつは入力された音を素直に出すということに存在意義があるため、ノイズが乗ったりフィルターがかかった音をそのまま再現してしまう。
 それでもスピーカー自体は気に入ってるから買い換える気はないので、USBオーディオって選択はベストだったわけ。

 それともう一つ。
 これPCだけじゃなく、iPodなどのDAPでも使えるってこと。
 ライン入力を持ってるため、ライン出力を持ってる機器なら、iPodやDVDプレイヤーや、ゲーム機にだって使えてしまう。
 その際には別売りのACアダプターが必要ってことなんだけど、別に専用アダプターでなくとも、PC接続用のUSBポートから電源を供給したいだけなので、以前に買ったこれが大活躍してくれる。
 んでこっちの用途をイヤホンで試したんだけど・・・結果、イマイチ。
 USBオーディオではXmodまでデジタルで来るのに比べ、ライン入力ではiPodのD/Aコンバータを通して更にXmodのA/Dコンバータを通るせいか、CrystalizerをOffにしたXmodは直でiPodの音を聴くより若干ノイジーでこもってるの。
 その音にCrystalizerをかけても、確かに相応の効果はあるんだけど、感覚的には劣化したのが元に戻るだけなので、だったら最初からiPodを直で聴いた方がいいやって感じ。
 どうしても3D音響機能をつけたければどうぞって程度。
 ライン出力の方でスピーカーに繋ぐならまた違った結果になるのかもだけど、どうせスピーカーに繋ぐならPCからiTunesで聴いた方がいいやね。

 目的とは違った点で良かった部分と言えば、まずこの真ん中にでっかく目立つノブ(つまみ)。
 Crystalizerや3Dの掛かり具合を調節するのにも使うけど、通常時はボリュームノブとして機能する。
 私の環境では、ボリューム調節ボタンはキーボードはもとよりマウスにすら付いてるけど、このようにノブでクルクル回すのはやっぱり一段上の操作性だよ。
 iPodのクリックホイールがどんだけ便利かってのを想像してもらえればわかりやすいかな。
 そしてイヤホン端子も何気に便利。ここにイヤホンを繋ぐと、ライン出力の方をミュートしてくれるの。
 PC本体のイヤホン出力では、本当に音をそこからも出せるってだけで、スピーカーからも同時に音が出ているので、それを消したければスピーカーの方を個別にOffにしないといけなかったんだけど、手元に置けるXmodではその手間も省ける。

 否定的な部分も書いたけど、とりあえずこれに興味を持ったなら買って損することはないかと。
 普通のUSBオーディオユニットとしても充分な性能だし、その上で面白い機能が付いてくるんで、音楽を聴くことが更に楽しくなること請け合い。
 そう、これは「良い悪い」ではなくて「面白い」が正解。
 もちろん、出力された音をそれなりに再生できる能力のあるスピーカーがあることが望ましいけども。
(・・・って、BOSEとかの家庭用はそもそも音を独自に矯正して高音質と思わせているので、こういう機械とは相性が悪いんだろうなぁ)

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